お別れのキス
息が止まったのは深夜の2時半過ぎくらい、
お義父さんに連絡をしたのは3時頃。
私を1人したら可哀想だから、とこちらに来てくれることになった。
その後は先生が来て、瞳孔を見たりなんやらして(忘れてしまった)、午前3時〇〇分、ご臨終です。となった。
こんなセリフ、ドラマでしか聞くことないと思ってたよ。
聞くとしても、少なくともどちらかの両親の時かなと思ってた。
まさか自分のダンナのをこんなに早く聞くなんて…。
左の犬歯が折れ曲がって血が出ていたから、最後余程息が苦しかったんだと思う。
それでもこちらを見て、一生懸命に、息をしようとしてくれた。
私が深呼吸をして見せるのを見て、一生懸命に生きようとしてくれた。
逆に苦しませてしまったかもしれない。
眠ったまま息が止まった方が楽だったのかもしれない。
頑張らせようとして、ごめんね。
すぐに楽にしてあげられなくてごめんね。
私は自分の為に、あなたを苦しませてしまったのかな。
でもあなたは生きたい!ってずっと思ってた人だから、最期まで頑張ってくれたんだ思っていいよね。
最後、私のこと見えていたと思っていいよね。
ありがとう、ありがとう。
諦めないでくれてありがとう。
冷たくなった唇に、数えきれないほどキスをした。
数ヶ月ぶりのキス。
離れがたくて離れたくなくて、ずっと近くにいたかったけど、お別れの時間がやってきた。