旦那の死まであと2日③ 1ヶ月ぶりの再会
PCRを受けて、旦那に会った。
その部屋はナースステーションから扉一枚入ったところで、看護師さんが2人お世話をしてくれていた。
肝性脳症といって、まだ意識はあるけど何をどこまでわかっているのか、わからない状態。
それでも痛みが酷いらしく、「痛い痛い…痛い…」と言っていたのもショックだったけど、もっと驚いたのはその痩せ方。。
土色の顔は頬がこけ、黄疸の出ている白目がギョロリギョロリと動いている。
パジャマから覗く腕は、筋肉質だった頃の見る影もない…
コロナ禍で会えてないうちにこんな風貌に…とまた悲しくなったけど、泣かなかった。
旦那は、私や、お義父さんのことはわかったと思う。
手を握ってくれたし、息子の名前を出したらときには
「え?何?もう一回言って」
というようなことを言ってくれたから。
しばらくお部屋で旦那の手を握って、
「また明日くるからね!」と言って帰った。
返事はなかった。
痛みでそれどころではない様子。
その日はそれで帰ることにした。
私は子供のお迎えにご飯、お風呂と色々やらなきゃいけないことがある。
まず会社に休みの連絡。
これはすんなりOK。
ビバホワイト企業!
次に実家に電話して報告して、付き添いの間は息子の世話を頼みたいお願いしたら、快く引き受けてくれた。
これまたありがとう両親。
助けてくれる存在が近くあってよかった。
これでお膳立ては済んだ、と一服しつつ、
それにしても辛いなぁ…とため息をついていたら、母親からLINE。
「心細かったから今夜も帰っていらっしゃい」
ありがたく従うことにした。
そして、付き添いの日。
まさか昨日の会話が、旦那との最後の会話になるなんて。
そのときは思ってもいなかった。